ウッドショックいつまで続く?日本の木の家、存続の危機

世界的材木不足ウッドショック〜ウッドパニック

ウッドショック 木材の価格が高騰。いつまで続くのかを解説

新型コロナの影響で、住宅メーカーの需要が高まった。
特に北米では住宅建築が大盛況で、世界中の木材が北米へ流れている。
いち早く経済活動を再開させた中国も、需給が盛んで自国とアメリカへの流通が活発。
ヨーロッパも同様、住宅建築が活発化。

日本はというと同じく、住宅建築の需要は新型コロナの影響で盛況。
住宅メーカーの売り上げは2020年から右肩上がり。

木材不足「ウッドショック」の原因は?

  • 上記のような流通の変化がひとつ。
  • 新型コロナの影響による輸入のコンテナ不足
    島国であるが故、船便の規制や滞りによるもの
  • そして、日本の歩んできた歴史に起因するもの

日本の林業の衰退

「時を戻そう・・・」

昭和30年代〜40年代、日本は高度成長期で木造住宅の建築が活発化。
それと共に、木材価格も高騰した。
この時の日本政府の対策が「木材原木の輸入自由化」
輸入自由化に伴い、安価で木が入手できるようになり、林業が衰退していった。

そして2019年の新型コロナ

リーマンショック以降2019年までは、住宅メーカーは注文戸数減少で心配の声も上がっていた。

人口の減少と、人々が首都に密集する傾向にあり戸建て住宅の需要は厳しめだった。
都心に高層ビルが乱立し、東京オリンピック景気を見込んでマンション投資やマンション購入を考える人々も増えた。

しかし2020年、新型コロナが感染拡大。
人々は新型コロナパニックになり、トイレットペーパーを買い漁る者、マスクを奪い合う者がそれらを買い求め、町中を駆け回った。

初回の緊急事態宣言で、街は閑散とし失業者も増えた。
人との接触を8割減らすという対策が功を奏して、感染者は減少傾向に。

緊急事態宣言が解除されると「Gotoトラベル」などというキャンペーンの影響もあり、感染が再拡大。

2020年後半には、変異株の出現で一向に感染の収まる気配がない。
ワクチン接種の遅れや効果にも、明るい期待が見出せずにいた日本。

2020年から木材価格の高騰の兆しはあった。
2021年に入り、より顕著になりウッドショックに突入。
そして現在2021年4月、遂にアメリカで木材の最高値が更新された。

人々のすごもり需要

テレワークが進む中、都心で働く者たちは郊外へと移住を始めた。
安心して暮らせる戸建住宅の購入を検討する人が増加。
既に持ち家の人々は「おうち時間」「テレワーク環境」の快適さを求め、リフォーム業界も潤った。
そして、ハウスメーカーや工務店など建築業界は売り上げを伸ばした。

DIYをする者も増加し、ホームセンターの売上も高い伸び率を示している。

住宅価格の高騰

毎度の事だが、マスク1箱に数千円の値がついたように、住宅価格にもそれが当てはまる。
木材の奪い合いが業者間で起き、価格が高騰。
工期が乱れ、人々は想定外の出費に悩まされることも出てくる。

土地は買ったが家が建たない。
固定資産税が無駄にかかる事態にもなる得る。
工期に遅れが生じれば、仮住まい生活が長引く。

途中まで建ったが、建築が中断。
建築資材の盗難が発生したり、中断中に劣化が進むことも無くはない。

ウッドショックによる懸念

本来使うはずの木材を少なくして、家を建てる事になる?
そうなると品質は落ちる。
あるいは、使うはずの木材よりも品質の低い物を代用することにも。

今から建築を始める、只今建築中などの消費者にとって不安は尽きない。
ハウスメーカーも、苦境に立たされる。

このウッドショック、木材に代る救世主が出現するか。
あるいは、ただただ高騰するか。

材木がなければ作業ができない。
予定していた仕事ができず、非正規労働者は職を失ない兼ねない。

まさに負のスパイラルが起きようとしている。
材木店では入荷未定の状況が続いており、既に現場では死活問題にも影響を及ぼしている。

新素材は誕生する?

木造建築が主流の日本で、木材の使用量を減らして住宅建築をするなら・・・

ビル建築のような鉄筋コンクリート。
混ぜ合わせたモルタル。
あるいはレンガの家。

もしかして、昭和の住宅で採用された「土壁」が復活するかもしれない。(耐震の問題もあるが)

土にもいろんな種類がある。
壁に珪藻土を使っている家もある。
メリット・デメリットはあるが、何かしら魅力的な代替品が開発される事を願わずにはいられない。

これを機に、輸入に頼らず合理的な素材の住宅が誕生するといい。
もともと日本の住宅価格は高過ぎる。
35年間もローンを抱えて生きるのはそもそもおかしな話だ。
もっと、余裕のある暮らしをする為にも国内で完結できる仕組みを構築しておきたい。

でないと、きっと日本はダメになる。
輸入が不安定で入手困難なんて悲しい。

ハウスメーカー以外にも影響が

建築がストップすると、工事に関わる全ての人々に影響する。
道路工事に携わる人々、現場の警備員、住宅設備メーカー・・・
入居後に買う予定の家具・家電・生活用品。
生涯で一番高額な買い物であろうマイホーム。
大金が動き、消費が活発になり経済が回ろうとしていても、木材が回らなければ何も回らなくなる。

やっぱり木の家がいい

やっぱり木の家は気持ちがいい。
人間も木も呼吸している。

将来家が欲しいなら、山を買って木を育てる事になるかもしれない。
・・・それを仕切る仕事が林業だが・・・
つまり、住宅購入前に育っている最中の木の予約をしてから・・・
なんていう、七面倒くさい事になる。

家庭菜園で野菜は作れても、お米は作れない。

結局は今の流通経路に辿り着く。
しかし、家を建てるだけが最終目標ではない。
そこに住んで暮らす事が人生設計の経過。

家作りをあきらめず、楽しんで欲しいと筆者は願う。
間取りを考えるのは楽しいし、前向きになれる。

ウッドショックがいつまで続くかは不透明だ。
しかし、家作りは始めても問題ない。

戸建てに住みたいと思うなら、手っ取り早く分譲住宅を購入するのもいい。
しかし、自分の暮らす家を注文住宅でと考えるなら、いつまで続くかわからない「ウッドショック」の今でも準備はしておいて損はない。

流通が回復したら、いつでも契約できるように家作りの準備は始めておこう。

ウッドショックはいつまで続くのか

夏頃までと予想する者もいれば、2〜3年かかるとも言われている。

日本の住宅需要は、コロナが収束してしばらくすればバランスが取れてくるだろう。
それはいつか?という問題になる。

アメリカの動向次第

アメリカでの需要の高まりが主な原因。
アメリカの住宅事情が落ち着けば、ウッドショックも解消に向かう。

もうしばらくの我慢

木材の価格が4倍にもなったアメリカ。
高水準で推移し、やがて価格は落ち着くと筆者は予想する。

もともとアメリカの住宅スタイルは、リノベーションやリフォームしながら住み替えていく。

米国の富裕層は「以前〇〇が住んでいた家」を○億円で購入。
といといった塩梅で、移住する。

日本のスタイルは、お父さんが残してくれた家を必死で守るというスタイル。
ずっとその家に住み続け、時期が来たら建て替える。
家、土地を大切な財産として生涯保有し、子から孫へと承継する。

そういったスタイルの違いがある事を理解しておこう。
「思い出」は大切にするが、その土地に生涯縛られるのは日本ほどではない。

木材価格が通常の5倍以上となったら、そろそろ買い控えも起き始める。
本来のリノベスタイルに戻りそうな気配を感じる。
そして徐々に価格も安定し、日本にも供給されるようになるのでは?
ちょっと楽観視かもと思うが、リーマンショックの原因はアメリカの住宅ローンが原因。

クオリティが同じで、価格が倍もする家。
それ今じゃなきゃだめ?

家作りの計画は始めても大丈夫かな

常に価格変動はしている。
ウッドショックで価格が倍近くなる家、あまり買う気が起きない。

営業マンに急かされて、という問題。
そもそも材木が入手困難なわけで。

工事が中断している現場もある中で、契約に踏み切れますか?

家作りの醍醐味は間取りを考える事!失敗しない間取りを無料でプロに相談できるって知っていましたか?

土地を探す、間取りを考える。
そこをじっくり検討する時間があれば、価格変動の動向を見ながら決められる。
そもそも、0から始めて完成まで1年はかかるのだから。

最終的にはそれぞれの価値観

契約に踏み切るのも、様子をみるのも人それぞれ。
自分の責任で決断するわけだから。
今契約目前の方は特に。
たとえ後悔するにしても、最小限の後悔で済むようなリスク回避を考える事も必要。

人のせいにしないで済むように計画したいものだ。

・・・と自分にも言い聞かせている。

ウッドショックはいつまで続く?

⚠️個人の見解です

そう簡単に元通りになるのは難しいでしょう。

アメリカ次第・・・という見方もありますが、住宅ローン金利が低いままなので当分続くでしょう。
ただ、木材の価格高騰は高止まりするのはほぼ間違いないので、次第に高水準を保ちながらでも徐々に落ち着いてくる気配です。

アメリカが経済活動を再開させ、かつての状況に戻りつつあれば価格も徐々に下がり始めるでしょう。

ただ短期的には現在の状況が、日本にとって良くなるかというとそうでもありません。
輸入に頼らないで国産の木材を使うとなると、それは高額になります。
潤沢な資金を持つ企業では、買い占めも行われており依然入手困難な状況は続いている。

国産木材を使用しながら同時に育てるという循環さえ定着すれば、先は明るくなるでしょう。

ただし、衰退した林業を盛んにするには多くの資金と土地と人手が必要です。
建築用木材の木を育てるには、何十年もの月日が必要です。
しかし、ある試算では国産木材を使っても、計画的な生産をする事で森林は保てるという。

人間は食用動物は飼育するが、住居用の木材は植育しないのか?
きつい労働で成果に時間を要する職業従事者は減少傾向だ。
さらに、そこに技術も要するとなるとますます担い手が少なくなる。

せっかく森林が豊富な日本に住んでいるのだから、日本の木の家に住みたいと思いませんか。

今回の感染症で人々は、住まいを見直しお金をかけています。

家を買う、家を建てる事へのハードルをもっと下げられる政策やシステムを構築しないと、せっかく回ろうとしている経済活動の足枷になってしまう。
実に勿体ない。
ますます貧富の差が広がり、せっかくのチャンスも循環しなくなり日本が衰退してしまう危機感を抱くのは筆者だけでしょうか。

多くの開発者が木の変わりとなる、木と同等かそれ以上の品質の物の開発を目指している。
新製品も出始めてはいるが、日本の林業が再起する事を願っている。

最後に

2020年〜始まったウッドショックの時期に建てられた家は強度が弱いとか、木が少ない。
質が良くないくせに価格が高い。
何年か後にそんなことが現実に起こらない事を、心から願っている。

追記

2021年7月29日 アメリカで木材の価格が暴落。
1/4の下落幅でも、ウッドショック以前よりはまだまだ高い。
アメリカではコロナの観戦対策を緩和し、マスクの義務付けを解除し以前の生活に戻そうとしている。
そのため住宅需要が減少し、旅行などの娯楽に消費動向の変化が見られる。
しかし依然感染者も高く推移している。
日本でもワクチン接種率が高くなる事を期待する。
2022年にはウッドショックは終わりを迎えるかもしれない・・・?

2021年6月21日 株価が下がった。
アメリカの金利上昇の気配があった為と思われる。
ワクチン接種が進み、以前のような日常を取り戻しつつあるアメリカ。
住宅ローン金利が上がれば、購入者も減少傾向に転ずる。
そうすると、木材価格の上昇も落ち着いてくる。
・・・かもしれない。

2021年7月5日 木材の高騰が止まらない?
高止まりすると思われた木材価格の高騰。
まだもう少しかかりそうな気配。
国産の木材もかなりの上がりっぷり。
関係団体が救済措置を政府に申し入れたとの報告も。
あと少しの辛抱か・・・